2014/05/01(Thu)
NASAと産業界、学識者らによるパネルが算出した大まかな見積もりによると、宇宙飛行士を火星へ送るのにかかる費用は、F-35戦闘機の開発および飛行にかかる費用と比較するとほんのわずかで済むだろうという。 詳細は、4月22日からワシントンD.C.で開かれている「第2回火星有人探査会議(Humans to Mars conference)」で発表される。

20年にわたる火星への有人探査計画は、莫大な費用がかかることに違いはないが、パネルの出した結論は、過 去に噂されていた1兆ドル(約102兆円)という予想よりははるかに低い数字だ。 それどころか、インフレ率を計 算に入れたとしても、現行のNASAの予算内で十分まかなえると見られる。加えて、諸外国からの支援も期待でき そうだ。

◆ 1兆ドルは都市伝説だった?

専門家らによって構成されたパネルによると、火星への有人探査を目的とした20年計画にかかる費用の総額 は、800~1000億ドル(約8兆1600億~10兆2000億円)の間だろうという。 NASAは現在、年間40億ドルを探査プロ グラムに費やしており、その多くは、将来火星やその他深宇宙を目指す有人飛行を目的としたオリオン宇宙船や 新たなロケット開発に使われている。
また、低軌道の国際宇宙ステーションの管理維持にも、さらに40億ドル近 くを使っている。

火星の有人探査に1兆ドルかかるとの噂は、10年前にいい加減な報告と不正確な計算から生まれたもので、そ れが何度も繰り返し伝えられて広まった都市伝説だと思われる。 一方、遅延など問題を抱えるF-35戦闘機プログ ラムは本当に1兆ドル以上かかってしまうかもしれないと、政府監査院は見積もっている。

その巨額の火星探査伝説が生まれてから10年が経過した今では、技術が向上し、NASAと民間の宇宙関連企業が 低予算でロケットを開発、飛行させることが可能になってきたと、NASAの上級科学者であり、 パネルの一員でも あるハーリー・スロンソン(Harley Thronson)氏は話す。また、少なくとも探査ミッションの初期段階では、火 星で計画していた様々な活動をいくつか削ることも視野に入れている。

「火星到達の暁にはやってみたいと思っていた活動全てを実行する必要はない。まずは火星へたどり着き、戻っ てくるというのが重要だ。基本的なことだけに集中すれば、予算を大きく抑えることができる」と、 スロンソン 氏は話す。それに、予算の一部を外国のパートナーや民間企業に負担してもらうという方法もある。これに対し て、アポロの月面着陸は全てアメリカの納税者によってまかなわれていた。

このパネルメンバーで、エアロジェット・ロケットダイン(Aerojet Rocketdyne)社のジョー・カッサディー (Joe Cassady)氏も、火星探査がアポロ計画と同様である必要はないとしている。 火星計画は20年かそれ以上 という長い年月をかけて徐々に進められ、その間に技術は進歩するし、国際宇宙ステーションや他の宇宙ミッシ ョンの経験から学んで生かせることも多い。

◆政府の足並みがそろう

NASAのチャールズ・ボールデン(Charles Bolden)長官は、2030年代前半の火星有人探査実現に備えること を、NASAの最重要課題のひとつとして挙げており、オバマ大統領もこれに賛成意見を表明している。 さらに、様々な案件で激しく分裂している連邦議会でも、両サイドで同計画への支持が出揃っている。今月初 め、下院宇宙小委員会は超党派でNASAへの予算案を可決した。

◆懸念の声も

しかし、火星探査がお値打ちかどうかをめぐっては、対立意見も根強い。ジョージ・ワシントン大学宇宙政策 研究所のジョン・ログスドン(John Logsdon)名誉教授によると、 NASAの顧問委員会のメンバー数人が先週、予 算の制限を理由に、2030年代のうちに火星へ着陸するという目標はどれも非現実的であるという考えを表明し た。 ただし、着陸せずに、火星を周回して戻ってくるだけなら可能だろうとしている。

もちろん、火星でもどこでも、有人探査の必要性を疑問視する科学者は今でも多い。NASAでスロンソン氏の補 佐をしていたジュリオ・バーシ(Giulio Varsi)氏は、 運転手の要らない自動車、無人航空機、バーチャルスポ ーツなどが急速に発達している今だからこそ、遠隔操作による探査の可能性を探るべきだと考えている。

http://www.nationalgeographic.co.jp/smp/news/news_article.php?file_id=20140424002

火星に行くのにお金がかかるというニュースだが、調査をかなり限定すれば、現実的な金額でいけるかも知れないという。問題は懸念の声に書いてあることだ。確かに火星の有人飛行を試す理由はない。なぜなら、冷戦の背景があった時代のような宇宙開発競争は行われておらず、もし、アメリカが火星に一番乗りしたとしても、それがアメリカの権威を高めることになっても、何千億ドルといった税金を投入する意義をもたないためだ。それなら、もっと人類のために役立ちそうなミッションで使う方が良いだろう。

また、遠隔操作技術の向上が目まぐるしいので、火星に無人偵察機を送った調査はそれなりに結果を出している。これは過去では考えられなかったことだ。何万キロ離れた場所でも、カメラを通して鮮明な画像が送られてくる。このような技術開発を進めていく方が役立つと思われる。

 宇宙大好き at 2014/05/01(Thu) 20:06コメント(0) 
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